睡眠外来医療センター 
本間さと先生へのインタビュー

睡眠トラブルについて

札幌花園病院 睡眠外来医療センター長
北海道大学の教授を務められ現在も、客員教授としてラボ(研究所研究室)をお持ちです。睡眠について基礎から学ばれ、睡眠とリズムの研究をされてきた専門医でいらっしゃいます。

札幌花園病院 
住  所:札幌市札幌市中央区南15条西15丁目1-30 

ぐっすり眠り、さわやかに目覚めるためには・・・

睡眠トラブルについてお聞きしました。​

<代表的な睡眠トラブルの症状>

寝られない悩み(不眠)

  • なかなか寝付けない(入眠困難)
  • 夜中に何度も目が醒める(中途覚醒)
  • 十分睡眠がとれた気がしない(熟睡困難)
  • 朝早くに目醒めてしまう(早朝覚醒)

睡眠中の呼吸・運動障害

(体の動き、寝言、いびき、無呼吸、悪夢)

  • 睡眠中の呼吸・運動障害
  • 夜になると脚や下半身に違和感を生じる。睡眠中に脚がピクつく​
  • 睡眠中に動き回る。大きな寝言がある。

日中の眠気・居眠り

  • 日中、眠くて仕事や勉学に支障がある

朝起きができない悩み

  • 朝、なかなか起きられない。

※眠られないとすぐに睡眠薬を服用するのではなく、原因に応じた治療が必要です!

不眠の原因が、夜に足に違和感がでるムズムズ脚症候群や、寝る時刻がずれているリズム障害の方もいます。

※睡眠障害は、まだまだ知られていません。

睡眠時無呼吸症については報道などで一般にも知られ、検査法も確立されていますが、気づかずに夜中に酸欠になっている方もいます。
他の多くの睡眠障害は、まだまだ一般に知られていません。睡眠障害は、高血圧や高脂血症、糖尿病などの病気の元になってしまいます。ポリソムノグラフィーという、夜間の脳波や筋電図、呼吸などの連続モニター検査で診断します。

「睡眠障害の種類・治療法」

○不眠症では

・眠る時間があるのに眠れない。

・睡眠不足で体調がすぐれず、昼間の活動に支障が出る(週2日以上、3か月以上持続すると慢性不眠障害)

○不眠症の治療では以下のような原因を探し、その除去を目指します。

・ストレスや不安

・痛み、痒みなどの身体症状

・騒音や照明など睡眠環境の問題

・うつ病などの精神疾患

・喫煙やカフェイン飲料のとりすぎ

○過眠症状…(日中の過度の眠気)では

・本来、起きていなければならない時間帯に寝てしまう

・眠くて、仕事や勉学などに支障をきたす

○眠気の原因に応じた治療を行います。

・生活習慣や過度の仕事・勉学などによる睡眠不足症候群‥→生活改善

・体内時計のずれによる概日リズム睡眠覚醒障害‥→高照度光とメラトニン作動薬

・睡眠時無呼吸症候群による熟眠困難‥→CPAP装置やマウスピース

・睡眠随伴症(ムズムズ脚症候群、周期性四肢運動障害、レム睡眠行動障害)による睡眠の質の低下‥→専用の薬物治療

・夜間十分に寝ていても、昼間に耐えがたい眠気のあるナルコレプシーなどの中枢性過眠症‥→専用の薬物治療

 高齢者の睡眠障害

 ・高齢者では2人に一人は不眠を訴えますが、睡眠時間は年と共に減ります。

眠くなってから布団に入り、眠れなければ布団から出るようにします。

昼寝は午後2時まで、20分まで。

日中、体を動かす、会話を楽しむなど、社会とつながる活動を。

  若者の睡眠障害

・概日リズム睡眠覚醒障害では、睡眠時間がずれて朝起きができず、遅刻、欠席、欠勤の原因となります
・ナルコレプシーでは、病気に気づかず、怠けていると誤解されることがあります。

子どもへの警鐘

ヒトの体内時計の周期は24時間よりも長いので、朝の光で時計を進めています。
夜の光(スマホやタブレットのブルーライト、商業施設の高照明光)は時計を遅らせ、朝起きを難しくさせます。
夜更かしや睡眠不足を避け、規則正しい睡眠リズムをつくることが肝要です。
原因が何であれ、不登校になってしまうと、朝に光にあたらないため、睡眠覚醒リズムがずれます。
不登校の原因が解消されても、リズム障害が残ると学校に行けないので、リズムを元に戻す必要があります。

ポイント

小児から高齢者まで、朝に光で体内時計をリセットし、全身の様々な機能のリズムを整えることが、昼間の充実した活動と、夜の十分な睡眠のため重要です。

Q1.寝だめはできますか? 

寝だめはできませんが寝不足の解消はできます。

Q2. 眠たいけれど眠れないという場合がありますがどうしたら良いでしょうか?

眠れる条件を作る必要があります。
体の時計がずれている時は、眠くなったら床に入り、朝起きは遅らせない様にし、徐々に体内時計を進めて眠くなる時間を早めます。
寝る環境を整えます。寝室は暗く、静かで、適切な温度にし、朝は朝日が差し込むようにします。
寝る前に末梢血管が拡張し、熱が逃げるような状況を作ります。
温めのお風呂に入る。足湯につかる。カフェインが入って無い、温かい物(ホットミルクなど)を飲む。簡単なストレッチをする、など。リラックスできることをつくる。
すぐやめられるような本を読む、など。
寝られない時にお酒は禁物。アルコールは睡眠の質を悪くします。

【取材・発行】

札幌ヤクルト販売株式会社 広報室